オウバク

オウバク効能・効果

オウバク(黄柏)
原植物名 キハダ Phellodendron amurense
日本産黄柏、韓国産黄柏、北朝鮮産黄柏、中国産東北黄柏(関黄柏)
シナキハダ(黄皮樹) P.chinense

中国産南部黄柏(川黄柏)

ミカン科のキハダまたはシナキハダの周皮を除いた樹皮。
薬効解熱作用  消炎作用  健胃作用
止瀉(下痢止め)薬、苦味健胃薬として多くの処方に配合され、また、打ち身、捻挫に外用薬として使用されています。
性状
極めて苦い、主成分ベルベリンやリモニンは特に苦い
成分
berberine,palmatine,obakunone,limonin,他
薬理
抗菌作用(黄色ブドウ球菌、赤痢菌、コレラ菌、淋菌等)、抗炎症作用、血圧降下作用、中枢神経抑制作用、細胞性抗体産生抑制作用他多くの薬理作用が報告されています。
適用
苦味健胃整腸薬(胃弱、食欲不振、胃部腹部膨満感、消化不良、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃のむかつき、下痢等)に用いられます。外用は、打ち身、捻挫に水で練って貼ります。
ちょっとウンチク!
古くから日本の代表的な民間薬として用いられてきました。奈良大峰山の「陀羅尼助」は黄柏のエキスを煮詰め乾燥したもので、僧侶が長い陀羅尼経を読むとき催してくる眠気を覚ますのに服用したことに由来します。信州木曽御嶽山の「お百草」、伯耆大山の「練熊」等各地に黄柏を用いた多くの民間薬があります。
同じベルベリンを含む生薬に「黄連」がありますが、漢方では黄連は胃熱による吐き気、胃痛に、黄柏は下半身の湿熱による症状の改善にと使い分けられています。よって、止瀉整腸薬ラッパのマーク 大幸薬品の「正露丸」には黄柏を配合しています。

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