コウブシ

生薬ラテン名:CYPERI RHIZOMA

コウブシ効能・効果

基原
ハマスゲ Cyperus rotundus Linné (Cyperaceae カヤツリグサ科)の根茎。
調製
秋から翌年春にかけて根茎を掘り採り、そのまま日光で半乾し、根茎と共に金網上で細根を焼き、筵(むしろ)に広げて仕上げ乾燥をする。
産地
中国(広東、浙江省など)、韓国、北ベトナム
性状
紡錘形を呈し、長さ1.5 ~ 2.5 cm、径0.5 ~ 1 cmである。外面は灰褐色~灰黒褐色で、5 ~ 8個の不整な輪節があり、その部分に毛状になった繊維束がある。質は堅い。横切面は赤褐色~淡黄色で、ろう様のつやを帯び、皮層部の厚さは中心柱の径とほぼ等しいか又はわずかに薄い。これをルーペ視するとき、周辺には繊維束が褐色の斑点として輪状に並び、皮層部にはところどころに維管束が赤褐色の斑点として、また分泌細胞が黄褐色の微小な斑点として多数存在する。中心柱には多数の維管束が点又は線として散在する。
特異なにおい及び味がある。

成分
セスキテルペン:cyperone、cyperol、isocyperol
モノテルペン:α-pinene、cineol
その他:糖類、脂肪油

選品
大きく堅実で、繊維束が少なく、なるべく新しく、香りの好いものが良品である。
適応
漢方処方用薬:理気、通経作用があり、気うつや月経障害などを改善する薬方に配合される。

漢方処方例
香蘇散(こうそさん)
構成生薬のうち、香附子、蘇葉の組み合わせで、気が塞がったり、イライラしたり、胃腸機能が悪い時に用いられる。

香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、香砂平胃散(こうしゃへいいさん)、香砂養胃湯(こうしゃよういとう)、分消湯(ぶんしょうとう)
構成生薬のうち、香附子、縮砂の組み合わせにより、上腹部痛や消化不良を改善する。

芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
構成生薬のうち、香附子、烏薬の組み合わせにより、産後や更年期の時のストレス、肩こりなどの不定愁訴を改善する。

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