カンゾウ (甘草)

マメ科カンゾウの根を乾燥したものでグリチルリチン,配糖体などを含有します。鎮痛、抗炎症、胃痛、鎮咳去痰、解毒、十二指腸潰瘍などにすぐれた効果をあらわし、かぜ薬にも用いられます。

甘草の効能・効果・形態

【学名】…Glycyrrhiza uralensis Fischer
【別名】…密草、生草、国老
【英名】…Glycyrrhiza


甘草といえば、漢方薬に欠かすことのできない生薬の一つです。漢方で使われる甘
草は、ウラルカンゾウ・スペインカンゾウの根及び根茎を乾燥させたもので、鎮痙・
鎮痛・鎮咳・去痰・解毒・副作用防止などの目的で、様々な漢方方剤に配合されてい
ます。また、漢方に限らず、甘草の主要成分であるグリチルリチンを錠剤・注射とし
て、また砂糖の 50 倍の甘さがあるにもかかわらず低カロリーであるため、健康的な
甘味料として使用されることもあります。

 処方と調合
問題が脾の気と関連する場合は党参(トウジン)と配合しますよ!。
●杏仁(アンズの種)および川貝母(センパイモ)と配合して熱に関連する乾いた咳に使用します。

●白芍薬(シャクヤク)と配合して肝臓の衰弱に関連する腹部の不快感に使用しますね。

●桔梗(キキョウ)と配合して喉の症状に使用します。 

 伝統的薬能
神農は甘草を中国で最も重要な強壮薬の1つだと述べていますね。

神農は「五臓六腑、寒熱、邪気を治療するバランスのとれた甘い味の生薬」と評し、さらに多量に服用することで寿命が延びると付け加えています。

この生薬は大棗(ナツメ)同様、貴重な気の強壮薬で、他の生薬の薬理作用をうまく調和させるために処方に加えられることもしばしばです。
薬物の治療効果と密接に関係する薬性理論(四気五味・昇降浮沈・帰経・有毒と無毒・配合・禁忌)の柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」です。
【温寒】… 平
※性:中薬はその性質によって「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。

 ちょっとウンチク!
醤油の甘味は甘草です。
リコリス菓子やルートビアと呼ばれるソフトドリンク、リキュールの原料として利用されていますよ!。

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